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院長あいさつ

  今日、うつ病や高齢化に伴う認知症などの精神疾患を患う患者さんが増え、従来医療計画に盛り込まれるべき疾患として指定されてきたがんや脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4大疾病に加えて、新たに精神疾患が加わり、精神疾患は5大疾病の一つとされるようになりました。このような状況の中、精神科医療の果たすべき役割は益々重要となってきています。
 しかし、うつ病診療においては、うつ病は多様化し他の精神疾患が併発するなどうつ病診断は困難を極め、薬物療法への偏重があるなど治療には少なからず問題があることは否めません。また、認知症対策については、早期発見や早期の介入・治療が重要なのは言うまでもなく、特に若年性認知症に対する対策・支援は課題です。精神疾患の疾病構造は一昔前と比べると大きく変わり、自閉スペクトラム症や注意欠陥多動症などの発達障害の患者さんや、アルコール以外の薬物による物質依存、ギャンブルやインターネット、ゲームなどの行動嗜癖の患者さんに対応することが多くなりました。今日身近な依存症となっているベンゾジアゼピン系薬物を中心とした、医原性とも言える処方薬依存の問題も大きな課題となっています。児童精神科医が少ないことも憂慮されています。我が国における自殺の問題については、自殺者数は近年やや減少傾向にありますが、新潟県の自殺率は他県と比べても相変わらず高く、自殺の背景に合併していることが多いうつ病やアルコール依存症などの精神疾患は見逃せません。
 われわれ精神医療にたずさわる者として、精神疾患を患う方々が安心して地域での生活を送れるよう、皆様に信頼される精神医療を目指しスタッフ一同邁進していきたいのでよろしくお願い申し上げます。

                                平成30年4月  院長 坂本 隆行

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